集団心理・同調圧力
慶応義塾大学の公認学生団体
「広告学研究会」のメンバーによる集団暴行事件があったが、
その事件の内容を初めて聞いた時は
2003年に起こった「スーパーフリー事件」を思い出した。
それだけ似通っている部分があったからだろう。
ところで、東大生らによって結成された「誕生会研究会」、
そのメンバーらが今年起こした強制わいせつ事件を覚えているだろうか。
「女性セブン」(小学館)がその事件を、
今回の集団暴行事件の類似事件として詳しく取り上げていたのだが、
その記事内では3人の加害者らの被告人質問での発言にも触れられており、
それがまた読んでいて気になる内容だった。
「そういった飲み会の・・・騒がしい雰囲気、乱れた雰囲気というのが楽しかった」
「周りの人間も茶化す雰囲気だったので、ぼくも同調して」
「自分の感覚が麻痺していたというか、飲んで脱いだり脱がせたり、
飲めばあり得ることと考えていたんで、特別止めようとは思ってなかったです。
(中略)え〜、まぁ・・・被害者が泣いた後、泣き始めたあとには、さすがに、
という気持ちはありましたが、自分がわざわざ止めに入って
白けさせるのものなぁという気持ちもあった」
「女性セブン」の記事ではそれらの発言に対し、
「いずれも無理やり裸にされ泣いている同世代の女性への思いやりはなく、
その場の雰囲気をいかに壊さないかということばかり考えている」
と事件の要因の一つでもある集団心理、同調圧力があったことを指摘している。
また他にも、被害者に対してどうしてこのような行為を働いたかについても
加害者の一人がこの被告人質問を通じ語っている。
「仲間の間で女性をモノ、性の対象と見て人格を蔑んでいる考え方が根本にあったと思う。
大学に入学して、彼女らは頭が悪いからとか、バカにして、いやらしい目でばっかり
見るようになり・・・・という、男たちの中でそういう考え方が
形成されてきたように思います」
このような考え方が根底にあったとは恐れ入る。
周囲によってそれが形成されたというが、随分とご立派な友人達をお持ちのようで。
是非一度俺にも紹介してもらいたいものだ。
最後にある学生二人の考えさせられる言葉を、その「女性セブン」の記事内から
抜粋したい。
「ぼくは地方出身で、親は共働きの公務員。決して貧乏とかではないけれど、
それでも仕送りは親に相当の負担をかけています。
だから改めて意味がある時間を少しでも多く過ごしたいと思いました。
実際、そう思っている学生も多い。
ですから、”最近の若者は”とか”勉強ばかりしている東大生”はという枠で
くくらないでほしい。
“東大だから頭いいし、心身共に素晴らしい”ということはないんです。
“東大なのに””慶応なのに”と言うけど、それは大人がその大学の学生を
神童と思っているからでしょう。
東大だろうと慶大だろうと、バカな奴はバカなんですよ」
「逮捕された人たちは許せないし、被害女性を非難するわけではないですが、
やっぱり私たち女子学生は、隙を与えない、甘く見られないということが
大切なんだと思いました。
ちょっと話がずれるかもしれませんが、女性の社会的地位は高まっていて、
輝ける社会作りが進められようとしていますが、なかなか思うようにはいっていません。
男性の意識改革が叫ばれていますが、一方で女性自身が女性の社会的地位向上を
邪魔しているということもあると思うんです。
東大という肩書欲しさに東大男子を求めてサークルに入ってくる女性や、
養ってもらおうと安定を求める女性。こういう女性がいる以上はやっぱり男性は
女性をなめてかかるんじゃないでしょうか」