ストーカー行為から発展する傾向に
2015/11/12
三鷹ストーカー殺人事件からわかるように、リベンジ・ポルノは時に
ストーカー行為から発生、発展する傾向にある。
その問題のストーカー行為だが、便利になった時代の表れか、
現在ストーカー事案の認知状況は年々増え続けている。
昔と違い、盗聴や盗撮技術の進化、SNSを通じてのターゲットの行動パターンを把握した上で、GPSなどで追尾が容易になったからだろう。
リベンジ・ポルノと共に、今後更に深刻化する懸念のある問題だ。
このストーカーという行為で、殺人事件にまで発展したのは旧いところで
“桶川ストーカー殺人事件”ではないだろうか。
この事件は埼玉県桶川市の路上で女子大生(当時21才)が元交際相手である男性と、その友人らによって刃物で左胸と脇腹を刺され、殺害された事件なのだが、この事件が発生するよりも以前に、この被害者である女子大生は
別れを告げた元交際相手から執拗な嫌がらせを受けていた。
元々、交際中もDVや電話での行動監視など、その異常な傾向は見られていたようで、それらのことに耐えられなくなり、女子大生の方から別れを切り出すと、その元交際相手は「父親をリストラさせるぞ」と脅し、女子大生の自宅や
通っている大学、女子大生の父親の勤務先周辺に怪文書をバラまくなどの
行為に走ったそうだ。
女子大生の父親はその証拠物と共にすぐに警察に届け出たが、警察からは相手にされず、逆に告訴の取り下げまで提案された上、事件発生後はその告訴状の改竄などのミスを糊塗しようと、被害者である女子大生のネガティブ情報
(風俗嬢・ブランド品依存症などの誤報)をメディアに流し続けるといった警察の
理解不可能な対応を受け、女子大生の遺族の傷口に追い討ちをかけた。
この当時、警察は今よりも更に痴情のもつれぐらいにストーカーというものの危険性を軽視していたのだろう。
この事件はそうした警察の対応の在り方、ストーカーというものの危険性を
世の中に広く知らしめるきっかけを与えた事件だと言えよう。
このように、ストーカー行為からエスカレートし、殺人事件にまで発展してしまった事件が他にも多くある。
果たして新しい法律や警察の働きだけで、期待出来るような抑止力があるのかどうか、三鷹ストーカー殺人事件などを見ていると強く疑問に思えてしまう。
残念ながらストーカー被害に遭っているのが政治家や著名人などの子供でも
ない限り、迅速かつ丁寧な対応は期待出来ないのではないだろうか。